大日本印刷、街での困りごと支援にアプリ
大日本印刷はこのほどスマートフォン用アプリで、観光客や高齢者など支援を求める人と支援をしたい人を結びつけるサービスを一部市街地で実用化した。道に迷った観光客や、車いすで段差の移動が困難な高齢者などがアプリ上で支援をリクエストし、支援したい人の助けを得られるようにする。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて増える外国人観光客の利用も見込む。今後は全国の自治体と連携し、サービスを利用できるエリアを拡大していく計画だ。
アプリの名称は「May ii(メイアイ)」。まず東京・市ケ谷、天神駅(福岡市)、札幌駅(札幌市)の3カ所の周辺でサービスを提供する。利用時間は午前8時から午後9時まで。2月に新宿駅(東京・新宿)で実施した実証実験をもとに実用化した。実験では無料対話アプリ「LINE(ライン)」を活用したが、実用化にあたってはアプリを独自開発した。
アプリはアプリ配信サービスの「グーグルプレイ」と「アップストア」でインストールできる。支援を求める人がアプリ上のリストから困っている内容をタップしリクエストを送信すると、依頼を引き受けた人とマッチングする仕組み。
例えば、リストには「(車いすで)スロープの前で困っている」など30個の困り事が並ぶ。支援したい人は支援を求める人のリクエストをタップして名乗りを上げる。マッチングが成立すると、アプリ上のチャットボットで互いに連絡をとれるほか、全地球測位システム(GPS)を利用し地図上で互いの位置を確認できる。
支援を受けた人は支援した人を5段階で評価する。評価に合わせて支援者にはポイントが付与される。ポイントがたまるとアプリ内の動物型のキャラクターが成長する。助ける人のモチベーションの向上につながるという。
8月4日の渋谷盆踊り大会などのイベントで体験ブースを設置する予定。会場ではアプリの使い方を説明し普及につとめる。