ブラジル、大統領の息子を米国大使に任命
【サンパウロ=外山尚之】ブラジルのアラウジョ外相は26日、ボルソナロ大統領の息子で連邦下院議員のエドゥアルド・ボルソナロ氏を米国大使として任命する方針を明らかにした。現在、米国に打診しており、承認され次第、手続きに入る。身内を重用するボルソナロ氏の姿勢に批判も多いが、政権側が押しきる形となった。
アラウジョ氏は「外交儀礼に従い米国に承認するよう求めており、返事を待っている」と述べ、「エドゥアルド氏は偉大な大使になるだろう」と述べた。今後、上院で審議し、過半数の賛成を得れば大使に任命される。現在、米国大使は空席となっている。
エドゥアルド氏はボルソナロ氏の三男で、トランプ米大統領の元側近で極右的な姿勢で知られるスティーブン・バノン元首席戦略官と近い。過去に核兵器の保有を肯定するなど、失言も多い。
ブラジルの米国大使は伝統的に外務省出身の外交官のポストとなっていた。外交の素人で英語が堪能とは言えないエドゥアルド氏を任命する人事に対する批判的な声も根強い。ボルソナロ氏も一度は就任を撤回する姿勢を見せていたが、最終的に強行することとなった。