ルノー、1~6月最終益50%減 売上目標を下方修正
【パリ=白石透冴】フランス自動車大手ルノーが26日発表した2019年1~6月期の連結決算は、売上高が前年同期比6%減の280億5千万ユーロ(約3兆4千億円)、純利益が同50%減の9億7千万ユーロだった。中国など欧州外の事業が振るわなかった。43%を出資する日産の業績悪化も悪影響を与えた。ルノーは今期の売上高目標を下方修正した。
販売台数は同7%減の193万台だった。地域別の内訳は欧州が107万台で横ばい。「アフリカ・中東・インド太平洋」がイラン事業から撤退したため、28%減の22万台。中国が現地メーカーに押されるなどして24%減の9万台だった。
世界の自動車市場は1~6月に前年同期比で7%縮んだ。市場環境の悪化にルノーも苦しまされる結果となった。
日産から入る「持ち分法投資利益」は2100万ユーロの減益要因となった。前年同期は8億500万ユーロを得ていた。日産は19年4~6月期の連結営業利益が前年同期比99%減となり、業績悪化に苦しんでいる。
ルノーは26日、19年12月期の売上高目標を「増収」から「18年12月期に近い水準」に下方修正すると発表した。19年7~12月期には主力小型車「クリオ」の新モデルなどを投入し、巻き返しを狙う。
仏経済紙レゼコー(電子版)は26日、ティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)のインタビュー記事を掲載。ボロレ氏は日産との関係について「以前のような緊張関係はない。日産への出資比率低下は議題に上っていない」と語った。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。
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