北朝鮮の「飛翔体」、日本は静観 米朝対話に配慮
首相「安保に影響なし」
北朝鮮による25日の短距離ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体発射を巡り、日本政府は静観の姿勢だ。6月のトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の3回目の首脳会談など米朝間の対話が再開したことに配慮する。日本人拉致問題の解決に向け、安倍晋三首相が意欲を示す日朝首脳会談の実現も探る。
首相は25日、静養先の山梨県内でゴルフをした。北朝鮮は午前5時台に2発の飛翔体を発射した。首相がゴルフ場に着いたのは同7時すぎだった。予定通りプレーを続け、コースの途中で記者団に「日本の安全保障に影響を与える事態でないことを確認している。米国と緊密に連携していく」と語った。
午前中には外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が米国のビーガン北朝鮮担当特別代表、韓国の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長とそれぞれ電話で協議した。菅義偉官房長官は記者会見で「米国、韓国と緊密に連携し、情報収集・分析に全力を尽くしている」と述べた。
飛翔体が弾道ミサイルであれば、国連安全保障理事会の決議違反となる。5月の発射時は日米両政府が短距離弾道ミサイルと認定したが、トランプ氏が問題視しない意向を示した。日本は米朝対話の再開を踏まえ、米国と足並みをそろえる。
菅氏は記者会見で、拉致問題の解決に向け前提条件なしに日朝首脳会談の実現を目指す首相の方針について「変わりない」と強調した。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。