FB主導リブラ加盟は「規制次第」 ビザCEO
【ニューヨーク=関根沙羅】クレジットカード大手のビザのアルフレッド・ケリー最高経営責任者(CEO)は23日、デジタル通貨「リブラ」の運営団体への加盟は、規制要件を満たせるか次第との見解を示した。リブラ計画は米フェイスブックが主導するが、実際の運営はビザや配車大手のウーバー・テクノロジーズなど合計28社が加盟する団体「リブラ連合」が担うことになっている。
ビザのケリーCEOは23日の決算電話会見で、リブラへの関与の度合いを問うアナリストの質問に対し「まだ協議中で、参加するかの最終決断はリブラ連合が全ての規制要件を満たせるかどうかなどの多くの要因に基づく」と回答した。同社が署名した加盟の意向表明書は、法的拘束力を持たず「まだ正式に加盟した企業はいない」と説明した。
リブラは、国境を越えた決済や送金に使える国際通貨としての機能を目指すが、個人情報の取り扱いなどで不祥事が続くフェイスブックが主導していることから、世界の規制当局から懸念の声が上がっている。
リブラを担当するフェイスブック幹部のデビッド・マーカス氏は16~17日に米上下院が開いた公聴会で、リブラを担うのはリブラ連合であり利用者は「フェイスブックを信頼する必要はない」との見解を示していた。ビザなど大手企業が連合に参加することで信頼性を担保する狙いだが、加盟団体の経営者からは慎重な姿勢が示された。
Facebookが構想するデジタル通貨。値動きの激しい暗号資産(仮想通貨)と異なり、価格が安定する設計が特徴だ。ドルやユーロなどの法定通貨を裏付け資産とすることで価値を保つ。2020年12月、名称が「リブラ」から「ディエム」に変更された。