維新人気、国政選挙でも 大阪で2議席
日本維新の会は本拠地の大阪で、現職の東徹氏(52)に加え、新人の梅村みずほ氏(40)が当選を決め、2016年参院選に続き2議席を獲得した。大阪府知事・市長のダブル選、衆院大阪12区補選、堺市長選と大型選挙で勝利を重ね、今回の参院選で破竹の5連勝。大阪での維新人気を改めて見せつけた。
東氏と梅村氏は21日夜、大阪市内のホテルでそろって登壇した。東氏は「4議席のうち2議席を獲得し、これ以上の喜びはない」と勝利の弁。「大阪都構想を実現して大阪を副首都にしていく」と決意を語った。
アナウンサー出身で2児の母である梅村氏は「子どもたちに引き渡しても恥ずかしくない、未来の明るい国にする」と抱負を述べるとともに「維新の候補者だから当選できた。統一地方選や堺市長選に続く維新の風を感じた」と振り返った。
維新が2人目の候補者として梅村氏の擁立を決めたのは、公示直前の6月中旬。維新幹部は「ほぼ知名度ゼロからスタート。当初は街頭などでも手応えがなかった」と振り返る。
選挙戦では幹部が梅村氏を重点的に支援した。松井一郎代表(大阪市長)や吉村洋文・大阪維新の会代表代行(大阪府知事)らが街頭演説に立ち、大阪での私立高校の授業料無償化や府議会の定数削減など大阪維新の会の「実績」を強調。25年国際博覧会(大阪・関西万博)の誘致や20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の開催にも触れ「大阪から日本を変える」と訴えた。
「死力を尽くして戦った。大阪府民の期待に沿うため、改めて身の引き締まる思いだ」。松井氏は21日夜、大阪市内のホテルで語った。
維新は4月以降の選挙で連勝。参院選での2議席獲得は大阪で維新人気が続いていることを示しており、看板政策である大阪都構想の住民投票実現に向けさらなる追い風になりそうだ。
ただ、都構想の是非を問う住民投票では有権者の過半数の賛成を得なければならない。松井氏は記者会見で「人を選ぶのと制度を選ぶのは違う」と慎重な口ぶりで「二度と二重行政が起きる大阪をつくらないために全力を尽くす」と気を引き締めていた。