アイルランドのローリー、声援力に独走 圧巻の63
ゴルフコースが2日続けてサッカー場に変貌した。第2日は予選通過はならずともコースレコード65を出した地元北アイルランド出身のマキロイをたたえる拍手で、この日はそれを塗り替える63で回ったローリーのメジャー制覇を確信した勝利の賛歌で。小さなポートラッシュの街には花火が上がり、深夜まで「オーレ」の歌声が響いた。
9番でこの日3個目のバーディーを奪い単独首位に立ち、続く10番は深い左ラフからの第2打をグリーン回りの傾斜を巧みに使って2メートルに寄せて畳みかける。海に向かい折り返す別名「惨劇」のコーナーの15、16、17番では4メートル、2メートル半、1メートルのパットを次々沈めて「歓喜」の渦を巻き起こした。
晴天に恵まれた土曜の夕方。コースでたらふく酒を飲んだ男たちがありったけの声で名前を叫ぶ。「その中をティーアップしてフェアウエーに打つのは簡単じゃない」。フェアウエーキープ率は50%まで落ちたが、「準地元」であるアイルランドの熱狂を力に変えて集中力を切らさず、パーオン率は94%に達した。「ゴルフ人生で最も素晴らしかった日」。最終日はもう一段上の夢の世界が待っている。(串田孝義)