5Gファーウェイ採用可否、「早急に判断を」　英議会が報告

【ロンドン=佐竹実】英国議会の情報安全保障委員会は19日、次世代通信規格「5G」の通信設備に中国の華為技術（ファーウェイ）を採用するかどうかの判断を早急に示すべきだとする報告書をまとめた。英政府は5月にも公表するとしていたが、メイ首相の辞任表明などに伴い遅れている。同委員会は「（23日に決まる）新首相が取り組む優先課題だ」と注文を付けた。

米国は安全保障上の懸念があるとして5G通信網からファーウェイを排除するよう同盟国に求めている。だが、英国は今のところこれに応じていない。英携帯会社はすでに5Gのサービスを始めており、アンテナなど通信設備の一部にファーウェイ製品を使用している。

情報安全委員会は採用の是非を明確に示さなかったが「単に携帯通信の設備の問題ではなく、長期的に影響する地政学的な戦略についての判断だ」と指摘した。安全保障上の機密情報を共有するファイブアイズ（米英カナダ、オーストラリア、ニュージーランド）の関係に悪影響が出てはならないとした。

一方、ファーウェイについて「優れた会社だ」と言及し、巨大市場を抱える中国との経済関係を損なうべきではないとの見方も示した。