電事連の岩根会長「中東リスク、低減必要」 ホルムズ海峡の緊迫化で
米国とイランとの対立が緊迫化していることについて、大手電力でつくる電気事業連合会の岩根茂樹会長(関西電力社長)は19日の定例記者会見で「中東リスクを下げていくことは必要だ」と述べた。ホルムズ海峡が封鎖されて液化天然ガス(LNG)の供給が途絶えて発電に支障が出た場合には「(大手電力間で)電力の融通もする」と語った。
大手電力でホルムズを経由する比率は、東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERA(東京・中央)が2018年度で約3割と高い。東北電力も16%、関西電力が13%を占めている。
LNGの国内の備蓄量は20日程度しかなく、中東から日本までの輸送日数は約20日間もかかる。岩根会長は電力会社の燃料部門で情報交換を行っているといい、「現時点では電力に影響はないが、リスクマネジメントを怠らないようにしていく」と強調した。
米国が検討するホルムズ海峡護衛のための有志連合については国が判断すべき事案としたうえで「ホルムズ海峡が封鎖されるリスクは以前からあるので、中東リスクを下げ(調達を多様化し)、いかにエネルギーセキュリティーを高めるかが重要だ」と語った。調達の多様化は原油などを含めエネルギー業界全体の大きな課題になっている。