静岡県焼津市、AIで路面点検 NTT系と実証実験
静岡県焼津市は19日、NTT西日本と組んで人工知能(AI)を活用した道路点検の実証実験を始めた。舗装のひび割れや、車道と歩道を分ける白い外側線のかすれ具合を撮影し調査する。高度経済成長期に造られた道路の老朽化が進む中、低コストでの点検方法を探る。軽度の損傷を見つけやすくして、交通事故の防止に役立てる。
NTT西日本子会社で設備保守のNTTフィールドテクノ(大阪市)が技術を提供する。一般車にビデオカメラを付けて路面を撮影し、これまで技術者が見て不具合と判断した路面データを学習させたAIが分析する。ひび割れ、へこみの損傷程度ごとに色分けして地図上に示し、損傷が軽いうちに修繕できるよう計画を立てやすくする。
これまでは、専用の測定車で撮影したビデオを技術者が見たり、黄色い「自治体パトロールカー」と呼ばれる車から人が目視したりして道路の欠陥を調べていた。NTTフィールドテクノによると、今回の方法が実用化できれば、従来の費用の2割で済むという。
焼津市は自動応答システム(チャットボット)による相談窓口の開設や、子ども向けプログラミング講座の開催など、ICT(情報通信技術)による地域活性化に力を入れる。NTT西日本とは2018年3月に連携協定を結んでいた。