人間国宝、新たに7人 講談の神田さんら
国の文化審議会は19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、講談の神田松鯉さん(76)=東京都板橋区=や歌舞伎脇役の片岡秀太郎さん(77)=大阪府吹田市=ら7人を認定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。政府は秋にも答申通り告示する。
ほかの5人は歌舞伎音楽竹本の竹本葵太夫さん(58)=東京都大田区、人形浄瑠璃文楽太夫の豊竹咲太夫さん(75)=大阪市、長唄三味線の杵屋勝国さん(74)=東京都新宿区、長唄鳴物の藤舎名生さん(78)=京都市、琉球古典音楽の中村一雄さん(73)=那覇市。人間国宝は計116人となる。
神田さんは約500の持ちネタを誇り、演目ごとの機微を表現する話芸に定評がある。長編連続物の復活や継承に尽力するほか、人気の若手講談師神田松之丞さんら後進の育成にも努める。
片岡さんは歌舞伎立役の人間国宝だった十三代目片岡仁左衛門さんの次男。父の相手役などを演じながら舞台経験を重ねた。女形を中心に重要な脇役を務め、上方歌舞伎の技芸を伝承している。
歌舞伎音楽竹本は、保持者の死去で解除された1980年以来の指定となる。
文化審議会はこのほか、指定済みの重要無形文化財の保持者団体構成員として、伝統組踊保存会(沖縄県浦添市)の12人を追加認定するよう求めた。〔共同〕