北朝鮮の貿易、制裁で18年半減 中国依存強まる
【ソウル=恩地洋介】韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が19日発表した北朝鮮の2018年の貿易総額(対韓国を除く)は、28億4千万ドル(約3060億円)と17年比で49%減った。2年連続の減少で、金正恩(キム・ジョンウン)体制下で30億ドルを割り込んだのは初めて。輸出は86%減の2億4千万ドル、輸入は31%減の26億ドルだった。長期化する経済制裁の影響があらわれた。
最大の交易相手である中国との貿易額は27億2千万ドルで、17年比48%減と大幅に減った。貿易総額に占める中国の割合は95.8%と1ポイント上昇し、依存は一段と強まった。2位のロシアは1.2%にとどまっている。
国連安全保障理事会の制裁決議は、北朝鮮に鉱物性燃料や衣類、水産物などの輸出を禁じている。こうしたなか輸出が増えた部門は軽工業製品だった。時計および部品は1534%増加、かつらや羽毛製品は159%増だった。
輸入のうち原油や精製油を含む鉱物油は3億6千万ドルと全体の14%をしめた。制裁の影響で電気機器の輸入は98%、ボイラー・機械は97%減少した。一方、中国からの肥料輸入は132%増えた。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。