メルカリ、もうひとりの創業者が明かす屈辱
メルカリ 野望と苦悩(2)
学生時代に起業したウノウを米社に売却し、ほぼ1年間に及ぶ世界一周旅行から帰国した山田進太郎。「今度こそ世界を目指す」。後のメルカリを創業するために仲間にしたのが2人の男だった。大学の後輩で、起業経験がありフリーのプログラマーだった富島寛。そして米シリコンバレーで起業し、山田が以前から教えを請うていた石塚亮だ。「必ず米国に進出する。その時は亮にやってもらえないか」。山田はそう言って石塚を共同創業者として招いていた。
起死回生の奇策
2013年7月2日に公開したフリマアプリの「メルカリ」。3人の思惑は外れ、まったくダウンロードされない日々が続いた。アプリをつくった富島は当時の心境を...
インターネットが誰の手にも届くようになると、多くの若者たちがアイデアや技術力を武器に起業家となり、既存の産業界に挑んでいった。数々の新興企業が生まれ停滞する日本経済に新風を吹き込んだが、世界で戦える存在は皆無。そんな日本のスタートアップの景色を変えうる新星が現れた。フリマアプリのメルカリだ。ネット興亡記・第5部ではその野望と苦悩を描く。