カーナビアプリで周遊観光 銚子市やナビタイムなど実験
千葉県銚子市と銚子電気鉄道(同市)は19日から、KDDI、ナビタイムジャパン(東京・港)と連携し、カーナビゲーションアプリを使った観光の実証実験を始める。地域の観光案内などをアプリ内で提供し、実際に訪れた人に特典をつけることで、ローカル線や車での地域回遊につなげる。
実験期間は8月末までで、夏休み時期に観光客を取り込む狙いだ。ナビタイムが提供するカーナビアプリ「NAVITIME ドライブサポーター」の新機能「観光ガイドモード」で、目的地を銚子市内に設定する。開業96周年を迎える銚子電鉄にちなみ、96キロメートル以上走行して銚子電鉄犬吠駅に行くと、当日利用できる銚子電鉄1日乗車券をもらえる。
東京都内から銚子は約100キロメートル。車で県外から銚子に来てもらい、ローカル線を利用してもらいたい考え。乗車券を提示すると、地球の丸く見える丘展望館といった沿線の観光スポットで入場割引などの特典を受けられる。
車で周遊する人向けには市が考えたドライブコースを提案する。観光スポットの近くを通ると音声ガイドが流れる機能をつける。祭りなど地域のイベント情報もアプリ上で見られるようにする。
市観光商工課は「市内の観光地に改めて注目してもらえる好機」と期待を寄せる。市内には車で訪れる観光客も多いが、これまでは動線を把握できていなかった。今回の実証実験を通して動線を分析し、近隣自治体を含めた広域の観光施策に活用することも検討している。