就活のウェブ面接、20年卒は受験者の2割に 民間調べ
就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が17日発表した調査によると、来春卒業予定で企業の面接を受けた学生の2割がウェブ上での面接経験があることがわかった。前年同期から割合が8.7ポイント増加し、大幅に普及が進んだ。交通費や移動時間が削減できるメリットがスマホに親しんだ若い世代のニーズを捉えているようだ。
2020年春卒業予定の大学生・大学院生を対象に6月25~30日にネットで調査。2092人から有効回答を得た。面接を受けた学生にウェブ面接の受験経験を聞いたところ20.2%が「ある」と答えた。前年の11.5%から大きく増加した。
受験者の感想を聞いたところ、「交通費がかからなくてよい」が55.5%と過半にのぼった。他には「移動時間がかからなくてよい」(47%)、「日程調整が楽」(35.6%)など肯定的な声が上位に上った。一方で、「通信環境に影響される」(38.9%)、「どこを見ればよいかわからない」(35%)など一定数の懸念もあった。「正しく評価してもらえるのか不安」との声も29.6%あった。
ウェブ面接を受験した学生に、実施企業が増えた方がよいと思うか聞いたところ評価が割れた。「そう思う」が42.7%と最多だった一方で、「そう思わない」も24.8%と4分の1近くにのぼった。マイナビによると、「利便性に一定の評価を得ているようだ」という。
学生にとって、企業と接触するための移動や日程調整の負担は依然として大きい。学生1人が3月から6月までに面接を受験した企業数を聞いたところ平均で10.2社だった。昨年の10.6社から微減しているが、「売り手市場のもと大学3年の夏からインターンシップ(就業体験)を実施する企業が増えている」(マイナビ)。
3月~6月の就活にかかる費用を聞いたところ、平均では9万9277円だった。直近の5年間では9万円~10万円台で推移している。マイナビは「地方の学生の負担が大きく、ウェブ面接のニーズは今後も増えそうだ」とみる。
(橋本剛志)
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