米下院、トランプ氏非難の決議案可決 「人種差別」で
【ワシントン=中村亮】米議会下院は16日、祖先が外国出身の女性議員に対して「国に帰った方が良い」と発言したトランプ大統領を厳しく非難する決議案を可決した。野党・民主党は人種差別をあおる恐れがあると懸念を強めて緊急で決議をとりまとめた。米メディアによると与党・共和党から賛成に回ったのは4人にとどまり、人種問題を巡る党派対立が浮き彫りになった。
決議はトランプ氏の発言について「非白人などに対する恐怖や憎悪を正当化し、増幅させるものであり強く非難する」と明記した。「暴力や圧政から逃れた難民に対して米国が開かれ続けることを下院は確約する」と強調した。ペロシ下院議長は「トランプ氏のコメントは人種差別的だ」と批判した。
トランプ氏は採決に先だって「私は人種差別主義者ではない!」とツイッターで反論した。採決を巡って「共和党は弱みを見せて(民主党の)ワナにかかってはいけない」と強調し、決議に反対するよう促していた。
トランプ氏は14~15日にかけて、幼少期にソマリアから米国に移住したイルハン・オマル下院議員らに対して「国に帰った方が良い」と主張。民主党やメディアから猛反発を受けたが「多くの人が賛成している」と強弁して発言を撤回しない考えを示していた。