独国防相後任に与党党首、クランプカレンバウアー氏
【ベルリン=石川潤】女性として初めて欧州委員長に就任するフォンデアライエン氏の後任の独国防相に与党、キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首が就く見通しとなった。地元メディアが16日夜(日本時間17日未明)に一斉に報じた。同氏は18年12月に与党党首に就任しており、メルケル首相の後任の最有力候補とみられている。
クランプカレンバウアー氏はこれまで入閣せずに党首に専念する考えを示しており、突然の方針転換となる。CDUは5月の欧州議会選挙で得票率を大幅に減らし、最近の世論調査では緑の党に支持率第1党の座を奪われていた。同氏の資質を問う声も高まっており、国防相として実績を残すことが次期首相への前提条件になる。
クランプカレンバウアー氏は独西部、ザールラント州の州首相などを務めたが、連邦レベルでの閣僚経験はなかった。重要閣僚である国防相に就任し、弱点とされる外交経験を積む狙いもあるとみられる。
メルケル政権は国政第2党、ドイツ社会民主党(SPD)との大連立政権だ。党勢の後退に歯止めがかからないSPD内で連立離脱論が高まっており、政局の先行きは不透明感が増している。