郭氏、「独自出馬」「経営復帰」観測
【台北=伊原健作】台湾の最大野党、国民党の予備選挙で敗北した、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)前董事長について、今後の去就に注目が集まっている。郭氏は自らの立場について明言していないが、台湾メディアでは離党後の独自出馬や経営への復帰などの観測も浮上している。
郭氏の広報担当者は16日、現地メディアに対し、「郭氏は『現在は』離党しての出馬を検討していない」と述べた。国民党候補に選出された高雄市長・韓国瑜氏の応援に回るのか、選挙戦から撤退するのかについては明確な回答はせず、出馬への臆測は当面くすぶりそうだ。
ただ、郭氏は一時は韓氏に猛追したが、17ポイント差をつけられて敗北したことで、出馬へのハードルは高いとの見方もある。株式市場では郭氏が選挙戦から撤退し、鴻海の経営に復帰することへの期待もある。16日の鴻海の株価は前日比2%強上昇した。台湾主要紙「経済日報」は「郭氏が再び鴻海を率いるとの希望が出ている」と分析した。