シャープ戴社長、賞与の業績連動強化を表明 年4回支給に
シャープの戴正呉会長兼社長は16日、日本経済新聞などの取材に応じ、現在は社員に年2回支給している賞与について「四半期ごとの業績に応じた年4回に変えたい」との考えを明らかにした。シャープは今年度から半期ごとの個人や部門の業績に連動した賞与体系を導入したが「信賞必罰を徹底したい」としてさらに迅速に業績を反映させる仕組みを検討する。
電機や自動車などの大手製造業では夏冬2回の賞与支給が慣例で、シャープが年4回の賞与制度を導入すれば珍しいケースとなる。シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下となった2016年8月に社長に就任した戴氏は支給する賞与額を業務成果に応じて年1~8カ月にして差をつけ、待遇面での「信賞必罰」を徹底することで社員の意識改革を進めてきた。年4回の賞与への移行については今後、具体策の検討を進め、労使交渉を経た上で来年度からの導入を目指す考えだ。
また現在は鴻海創業者である郭台銘氏の投資会社傘下にある液晶パネル製造会社の堺ディスプレイプロダクト(堺市、SDP)の子会社化についても言及。戴氏は「(高精細の映像技術である)8Kと5Gをかけ合わせた成長戦略に必要な拠点だ。可能であればシャープが取り戻したい」とし、「実現したら独自の液晶技術『IGZO』の導入も検討したい」との考えを語った。
また来年の台湾総統選へ出馬を表明していた郭氏が15日に最大野党、国民党の予備選で敗北したことについては「これまでもシャープの経営は私に任されていた。何も影響はない。(郭氏は)今後もシャープには関与はしないだろう」とした。