米、中米移民対策で新規則 難民申請を事実上不可能に
【ワシントン=芦塚智子】米政府は15日、エルサルバドルなど中米諸国からの移民による難民申請を事実上不可能にする新規則を発表した。メキシコなど第三国を経由して米南部国境から入国する人は米国で難民申請できなくなる。第三国での難民申請を求める。人権団体は裁判所による差し止め命令を求めて訴訟を起こす構えだ。
新規則は16日から実施する。第三国で難民申請を却下された人や、人身売買の犠牲者などは例外としている。バー司法長官は声明で「この規則は経済移民や米国の難民システムを悪用しようとする者を減らす」と指摘し、合法的な規制だと主張した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は声明で、新規則に「深い懸念」を表明した。人権団体の全米市民自由連合(ACLU)も新規則は違法として訴えを起こすとの声明を発表した。
米メディアによると、米移民法は米国と合意を結んだ「安全な第三国」を通ってきた人の難民申請は拒否できるとしているが、米国が合意を結んでいるのはカナダだけだ。