トランプ氏、商務長官の解任検討か 米報道
【ワシントン=鳳山太成】米NBCニュースは15日、トランプ米大統領がロス商務長官の解任を検討していると報じた。早ければ今夏に政権を去る可能性がある。商務省が所管する国勢調査に国籍の質問を加える政権の試みが失敗したことを巡り、ロス氏の対応に不満を抱いているという。
トランプ氏は国勢調査で国籍を尋ねることに意欲を示してきたが、米国籍を持たない不法移民が回答を敬遠して調査が不正確になるとして野党・民主党や人権団体が反対していた。民主党の支持者が多いリベラルな州では不法移民が多く、人口に基づいて計算する議席数や予算の割り当てで同党に不利になる可能性があった。
連邦最高裁が質問の追加を当面認めない判断を下したため、トランプ氏は11日、20年の国勢調査に国籍を尋ねる質問を加えることを断念した。一連の裁判ではロス氏に不手際があったことが明らかになっている。
ムニューシン米財務長官は記者団に対し、「ロス氏は良い仕事をしている。それ以外は聞いたことはない」と辞任観測を打ち消した。
ロス氏はトランプ政権発足時から商務長官を務め、自動車や鉄鋼に対する追加関税、華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置などの対応にあたっている。
ドナルド・トランプ元アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙で共和党の候補者として、バイデン大統領と再び対決します。「もしトラ」の世界はどうなるのか、など解説します。