終盤戦、首相「接戦多い」 枝野氏「十分勝ちうる」
21日投開票の参院選は終盤に入り、与野党は15日、それぞれ引き締めを図った。報道各社による参院選の情勢調査などを参考に接戦となっている選挙区を見極め、これまでの活動方針の見直しや投開票日に向けた票の積み上げ策を練った。
自民党は報道各社の情勢調査で優勢が伝えられ、各陣営に緩みが生じかねないと警戒している。安倍晋三首相(党総裁)は15日、北海道での遊説を終えた午後10時ごろ、到着した羽田空港から党本部に直行し、二階俊博幹事長ら幹部と約30分間、選挙本部会合を開いた。
首相は「僅差で競っている選挙区が多々ある。最後まで気を引き締め、全力で勝利に向かってまい進してほしい」と指示した。会合では選挙戦終盤での票の積み上げを狙って、首相が応援に入る接戦の選挙区を絞り込んだ。
甘利明選対委員長は改選定数1の「1人区」を念頭に接戦の選挙区が多いと指摘し「しっかり勝ち抜けるように全力投球したい」と強調した。首相は16日、自民現職と野党系新人が争う新潟選挙区に入る予定だ。
立憲民主党の枝野幸男代表は15日、都内で記者団に、報道各社の情勢調査について「与党が優勢と思っていない。与党に20議席を超える大幅な議席減を突きつけることは十分可能な選挙だ」と述べた。
「今の政治を変えたいという皆さんの関心が、この週末に急に高まってきたという実感がある」とも強調し、自ら激戦区を中心に選挙区入りし、巻き返しを狙う考えを示した。16日には改選定数2のうち2議席目を巡って自民新人と野党現職が争う広島選挙区に入る。
他の与野党党首は3連休最終日の15日、各地で支持を訴えた。
公明党の山口那津男代表は千葉県船橋市で「小さな声でもしっかり形にし、政策として実現する力が大事だ」と述べた。同党は最重点区と位置づける兵庫選挙区に幹部を引き続き投入し、支持母体など組織のフル稼働を目指す。
国民民主党の玉木雄一郎代表は地元の香川選挙区に入った。「まともな議論をする国会を取り戻そう」と訴えた。共産党の志位和夫委員長は選挙区の議席維持を目指す京都選挙区で憲法改正の阻止を訴えた。日本維新の会の松井一郎代表は大阪市で、社民党の福島瑞穂副党首は福岡市でそれぞれ街頭演説して支持を求めた。