移民系女性議員に「国に帰っては」 トランプ氏が発言
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日、祖先の出身地が外国の野党・民主党の女性連邦議員に対して「国に帰ったらどうか」とツイッターに書き込んだ。幼少期に内戦下のソマリアから米国に移住し、トランプ氏に批判的なイルハン・オマル下院議員らに対するコメントだ。15日には「彼女らは米国を心から憎んでいる」とも述べて、民主党が猛反発している。
トランプ氏は15日、ホワイトハウスで記者団に対し、オマル氏やプエルトリコ出身の母親を持つアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員に関して「株価が最高値を付けているのに彼女らは米国を批判しかしない」と不満をぶちまけた。「米国を愛さないのであればこの国を去っても良いのではないか」と語った。
米メディアによると、民主党のペロシ下院議長は15日、トランプ氏のコメントを非難する決議案をまとめる考えを示した。ペロシ氏は14日にも「トランプ氏が掲げる『米国を再び偉大に』という計画は米国を再び白人国家にするものだ」と断じた。オカシオコルテス氏も「白人至上主義者の典型的な言葉だ」とトランプ氏を批判した。
トランプ氏の発言は2020年の大統領選に向けて白人層の支持を狙ったとみられる。ただ人種間の対立を生む可能性が高く、米社会の分断を深める恐れがある。