原発事故後初スーパー開店 福島・浪江、帰還へ後押し
東京電力福島第1原子力発電所事故の避難指示が一部で解除された福島県浪江町で14日、町内で事故後初のスーパーマーケットとなるイオン浪江店が開店した。住民帰還を後押しするため町が出店を要請していた。町にはコンビニなどはあるが生鮮食料品を扱うスーパーがなく、生活インフラが整わないことが帰還をためらう理由になっていた。
店は同町中心部の町役場近くで、売り場面積は約881平方メートル。総菜や日用雑貨品がそろい、同町の請戸漁港など地元で水揚げされた鮮魚を優先的に扱う。
店内では、昨年4月に小学生の子供を含む家族5人で浪江町に戻った消防士、松林俊樹さん(33)が「待ちに待ったスーパー。住民帰還につながる」と語り、妻の詩織さん(30)も「車で30分かけて隣町まで買い物に行っていたので、助かる」と喜んだ。
浪江町は2017年3月末に一部地域で避難指示が解除されたが、依然として大半の地域で避難指示が継続。同町によると、事故前は約2万1500人が暮らしていたが、今年6月末時点の居住者は約千人。〔共同〕