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涙の復活V、石川 「東京五輪もワンチャンス」

編集委員 吉良幸雄

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伝統の国内メジャー第2戦、第87回日本プロゴルフ選手権(鹿児島・いぶすきGC)から一夜明けた8日。スポーツ紙一面には、プレーオフを含め37ホールの激闘を制した石川遼(27)の3年ぶりツアー15勝目を伝える大きな活字が躍った。大会を主催する日本プロゴルフ協会(PGA)の倉本昌弘会長は、7日の表彰式後に「遼君が勝つと記事の扱い方が違うから」と話していた。期待通り、新聞・テレビでは男子ゴルフ界随一の人気者の復活Vが派手に報じられた。

「何かを持っている選手」と倉本会長。崖っぷちからはい上がった石川の勝利は「ミラクル」と表現しても大仰ではない。九州南部を襲った豪雨の影響で初日が中止になり、最終日は1日36ホールの長丁場で決勝ラウンドが行われたが、首位タイから出た第3ラウンドの4~6番の3ホールで5打落とした石川は、11、12番でも連続ボギーをたたき、通算5アンダーと首位に7打差をつけられた。この時点で逆転優勝を信じた人は少なかったはず。しかし、石川は苦境を打開、ショットを立て直して残り25ホール(黄重坤とのプレーオフ1ホールを含む)を1イーグル、9バーディー、1ボギーの10アンダーで回ってのけたのだ。

土壇場で見せた底力

最終ラウンドの後半、優勝争いをリードしていた星野陸也が14番で1メートルを外し3パットのダブルボギーで11アンダーに後退。15番で14アンダーまで伸ばし一人抜け出した黄も、17番(パー3)でよもやの「池ポチャ」、ダブルボギーをたたくなど、ライバルの自滅にも助けられた感がある。とはいえ、16番で3メートルのバーディーを沈め、18番(508ヤード、パー5)で2オン、黄にプレッシャーをかけた石川の土壇場でのショット、パット力は見事だった。

プレーオフの18番では右に飛んだ第1打がカート道で跳ねて40~50ヤード前に跳ね、フェアウエーに。「この運を生かさなきゃ。勝負を決めないと」。集中力を高め残り200ヤードを5番アイアンでピン奥4メートルに落とし、一発で沈めた。鮮やかなイーグルで2015年日本シリーズに次ぐメジャー2勝目をつかみ派手なガッツポーズ。インタビューでは声を震わせ、目に涙をにじませて3年ぶりの勝利をかみしめた。

13年から5シーズン、主戦場とした米ツアーを撤退し、昨季から国内ツアーに腰を据えた。しかし、昨季は不振の原因となったドライバーショットの曲がり幅を抑え、安定させるのにきゅうきゅう。スイング改造に格闘の日々を過ごした。「フェアウエーが100ヤードくらいあってもOBを打ったり……。1年間、苦しい時もあった」。今年5月の中日クラウンズ2日目には、腰痛で自身初の棄権に追い込まれた。

ただ、振り返れば戦線離脱も「災い転じて福となす」。細い体を使って目いっぱいドライバーを振る石川は、ジュニア時代に腰を痛めたことがある。13年の渡米時には疲労性骨折を起こしていた。3年前には腰痛で米ツアーから約5カ月間、離れている。「(春の腰痛は)なるべくしてなった」

再発防止に、筋肉のよろいをつけるため、筋力トレーニングのやり方を見直した。これまでの自重をメインとしたものから、負荷をかけマシンを使った筋トレを週3回行うようになった。「筋肉をしっかりつけることからやり始め、腰や背筋、臀部(でんぶ)を強化。目に見えて腰がよくなった」。ツアー転戦中もホテルの部屋でチューブなど器具を使った筋トレを欠かさず、自分を追い込んでいる。今は腰の不安はないという。

課題のドライバーショットも、復帰戦となった6月の茨城・宍戸ヒルズCCでの日本ツアー選手権で手応えをつかんだ。フェードヒッターに有利な宍戸は、ドローボールが持ち球の石川には大の苦手コース。昨年まで6回の出場で予選落ちが4回、10年の15位が最高だった。今回は20位と特段の好成績ではないものの、ティーショットで3番ウッドや2番アイアンを使いリスク回避するのではなく、逃げずにドライバーも握って攻めた。

日本プロで優勝をたぐり寄せた18番(第4ラウンドはバーディー、プレーオフはイーグル)のドライバーショットも、多少の不安を抱えながらも怖がらず、思い切って振り抜き、黄に対しアドバンテージを得た。「(18番の)最後の2ホールのドライバーショットは、7年以上ぶりの感じで振れている気がする」。自己変革のために、何をすればいいのか。思いついたことをノートに書き込み、自分と向き合ってきた。苦しい日々が、やっと報われて5年シードを獲得、後顧の憂いもなくなった。「自分がやってきたことに間違いはない。今やっていることを続けて、再現性を高めればいい。ちょっとずつ成功体験を増やせていけたら」

目標は米ツアー、世界の頂点

ただ、いぶすきGCはフェアウエーがゆったりしており、石川向きのコースといえた。次のツアー開催は1カ月以上後のセガサミー杯(8月22~25日、北海道)。ドライバーショットへの不安は完全解消とまでは至っていない。試合間隔も空き、決して楽観はできないだろう。それでも勝てなかった3年間のトンネルから抜け出せた。27歳の選手会長の目標は米ツアー復帰、そして世界の頂点に立つことだ。

「エベレスト(チョモランマ=8848メートル)の頂上を見ながら、あそこへ登ってやると考えて練習している」。"第1次挑戦"では、群雄割拠の米ツアーに圧倒され、のみ込まれた。「装備がない軽装」で、厚い壁にはね返された。「ゴルフのエベレストに登るために、心技体とも鍛えていかなきゃ」と石川。世界ランクは大会前週までの300位から、183位へ前進。「これで東京五輪もワンチャンスある」。前半戦は試合が空いて歯抜け状態だった男子ツアーも、セガサミー杯から最終戦の日本シリーズまでは空き週がなく、連戦が続く。再び大きな一歩を踏み出した石川の「エベレスト挑戦」はファンの注目を集めるはずで、男子ツアー後半戦の盛り上がりが大いに期待される。

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