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AIIB、加盟100カ国・地域へ 中国の影に警戒も

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【ルクセンブルク=小川知世】アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は12日、ルクセンブルクで開幕した年次総会で記者会見し、13日に新たに3カ国・地域の加盟を承認し、加盟国・地域数が100(見込みを含む)に達すると明らかにした。ルクセンブルク証券取引所でユーロ建て債券を発行する意向も示した。

3カ国・地域の具体名は明らかにしていない。2016年の開業時に57だった加盟国・地域は、欧州やアフリカなどアジア域外の割合が半数に迫る。これまでに融資を承認した45件はインドやインドネシアなどが中心だが、トルコやエジプトのエネルギー関連事業、オマーンの港湾整備などに地域を広げている。

ただ融資額は伸び悩んでいる。開業から3年半の総額は約84億ドル(約9100億円)で当初目標の年100億ドルを大きく下回る。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などとの協調融資が6割を占め、単独は限られる。金総裁は「質を優先している」と説明した。

背景には広域経済圏「一帯一路」構想を進める中国の影響力拡大への根強い警戒感がある。中国の議決権の比率は25%を超え、重要議案で事実上の拒否権を持つ。本部が北京で、中国人が総裁を務め、運営や意思決定の過程がなお不透明との指摘もある。

米中の貿易摩擦も逆風だ。AIIBや中国との連携を重視してきた世界銀行ではキム前総裁が任期途中で辞任し、対中強硬派で知られる米国のマルパス元財務次官が4月に新総裁に就いた。AIIB発展の突破口になるとみられる日米参加の議論が遠のく可能性がある。

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