ゆがみ生む増税のお得感 消費税対策の行きすぎ
本社コメンテーター 上杉素直
政府の公式な文書で初めて消費税率2桁への引き上げがうたわれたのは今から16年前。政府税制調査会(首相の諮問機関)が2003年6月にまとめた答申だった。当時、小泉純一郎首相は消費税率の引き上げを繰り返し否定していたが、「議論するのは大いにけっこう」とその答申を税調の石弘光会長から受け取った。
石氏が税調会長の時代、税制の議論は法人税や所得税の負担を軽くして経済の活力を生み出す発想が勢いを増していた...
金融ビジネスや金融政策、税制・財政をはじめとする経済政策、社会保障の現場を取材してきた。2010年からのロンドン駐在では欧州債務危機に揺れる政治や行政、人々の暮らしをのぞいた。編集委員を経て18年から現職。
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