次期米軍トップ、中国に警戒感 「今後100年の難題」
【ワシントン=永沢毅】米軍制服組のトップとなる統合参謀本部議長に指名されているマーク・ミリー陸軍参謀総長は11日の上院軍事委員会の公聴会で証言した。中国について「これから50、100年にわたって米国の安全保障にとって主な難題となる」と述べ、安保分野の米中対立は長期化するとの見通しを表明した。イランに関しては外交を通じた問題解決を探るべきとの立場を示した。
ミリー氏は中国が進める軍事近代化について「宇宙、空、サイバー、海上、陸の領域で急速に能力を発展させている」と懸念を示した。「この70年維持してきた国際秩序の規範を維持することが必要だ」として、米国の覇権維持に努めるべきだと主張した。
さらに「私たちは中国への優位を失うわけにはいかない」と述べ、米軍の優位を維持すべき重点分野として核や宇宙などを列挙した。音速の5倍(マッハ5)以上の速度で飛行する極超音速(ハイパーソニック)兵器や人工知能(AI)にも触れ「優先的に近代化に向けた投資をする分野だ」と訴えた。
緊張が増すイラン問題については「もし紛争が起きたら大きな影響がある」と指摘した。軍事面ではなく「外交のアプローチを通じて」事態の収束をめざすべきだとの立場を示した。ホルムズ海峡を航行する民間船舶の護衛に向けた有志連合の形成に関しては「これから数週間のうちに話が進んでいくだろう」との見通しを示した。
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