トヨタ、米新工場の生産車種を変更 新型SUVに
【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車は10日、2021年に米アラバマ州で稼働する新工場の生産車種を当初予定していた小型セダン「カローラ」から新型の多目的スポーツ車(SUV)に変更すると発表した。米国のSUV需要の高まりに対応する。新型車の詳細は明らかにしていない。
トヨタは17年8月、マツダと折半出資で約16億ドル(約1700億円)を投資し、アラバマ州に完成車工場を建設すると発表した。年間生産能力は30万台で、トヨタがカローラ、マツダが北米向けの新型SUVをそれぞれ15万台生産する計画だった。
トヨタの生産車種の変更により、新工場はSUVの生産に特化する。カローラの生産はトヨタの米ミシシッピ州の工場で継続する。
米国ではセダン系からSUVなど大型車への需要シフトが続いており、SUVとピックアップトラックを合わせた「ライトトラック」が新車販売の7割を占めている。
トヨタはカローラの販売が1~6月に前年同期比5%減った一方、主力SUVの「RAV4」は2%増え過去最高を記録した。セダン系を得意としてきたトヨタはライトトラックの比率が足元で6割強だが、北米トヨタのジャック・ホリス副社長は「中長期的には7割に近づく」と話す。
ライトトラックの販売価格はセダン系などの「乗用車」に比べ1万ドルほど高い。19年1~6月の米国の新車販売台数は上半期として2年ぶりに前年実績を下回ったが、利幅の大きい大型車の需要増が自動車メーカーの収益の支えになっている。