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メルケル首相、三たび全身に震え 強まる健康不安説

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【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相が10日、全身が小刻みに震える発作にまた見舞われた。この1カ月間で同様の症状が3度表れており、健康不安説が高まっている。メルケル氏は直後の記者会見で「心配はいらない」と自身が健康であることをアピールしたが、政権の求心力が失われつつあるなか、政局にも影響が及びかねない。

症状が表れたのは10日、ベルリン市内の首相府前で開かれたフィンランドのリンネ首相の歓迎式典のさなかだった。これまでほど大きな震えではなかったものの、メルケル氏は歯を食いしばるようにして3度目の発作をやり過ごした。

メルケル氏は6月18日、ウクライナ大統領の歓迎式典でも同じような発作に襲われていた。このときは最高気温が30度近い暑さで、日差しが直接照りつけていたことから、水分を十分補給していなかったことが原因とみられていた。

ところが、6月27日には、屋内での新しい法務大臣の任命式典の途中で同様の症状が表れた。3度目となった7月10日も暑さは和らいでおり、はっきりとした原因が分かっていない。いずれの場合もメルケル氏はすぐに回復し、その後の公務を予定通りこなしている。

メルケル氏は2021年秋の議員任期満了まで首相を務め、その後政界を引退する考えだ。だが、政権与党である二大政党の支持率が低下するなか、連立内の不協和音が高まっている。首相の健康への不安が広がれば、政権の先行きにも暗い影が差しかねない。

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