タフなセリーナ、全米決勝の騒動を大坂に謝罪も ウィンブルドン
9日のウィンブルドン選手権は、セリーナ・ウィリアムズ(米国)にとってタフな一日となった。練習中にラケットでコートを傷つけたとして、1万ドル(約108万円)の罰金を科された。「私は強烈すぎる。罰金は仕方ない。気にせず試合に集中した」
が、シングルス準々決勝の相手は4回戦で世界1位を破ったアリソン・リスク(米国)。6-4、4-6、6-3と思いのほかてこずった。「簡単にやらせてくれない。私もギアを上げファイターになった」
2時間もかかって2年連続の4強入りを決め、記者会見をこなしてからアンディ・マリー(英国)との混合ダブルスに登場。こちらでは男子選手のサーブも軽々と返し、雄たけびを上げ、ベスト16入りした。「こんなにリターンが決まることは2度とないと思うわ」と、上機嫌だ。
この日はシングルスの試合中に女性誌の電子版で手記を公開。改めて大坂なおみ(日清食品)との昨年全米決勝を振り返り、「相手が素晴らしくて負けたのに、(審判にラケットを割った行為などで罰せられ)非常に敬意がない扱いを受けた。男性ならこうならないのでは?と思った」と主張。全米のショックを癒やすためにセラピーを受け、大坂に謝罪の手紙を書き「なおみから『人は怒りと強さの違いが分からない』という返事をもらったとき、涙が出た」と告白した。ただ、声を上げたことが次世代の道を開けばいいとも語った。
「このタイミング? 私のSNSチームの誰かがしたと思う。私が書いたのは何カ月も前。簡単ではないけれど、よりよい自分になるためにいつも努力している」とけむに巻くセリーナ。自他とも認める激しさこそ強さの源か。2年連続の決勝進出をかけた準決勝は33歳のバルボラ・ストリコバ(チェコ)が相手になる。(ウィンブルドン=原真子)