トヨタとデンソー、車載半導体で新会社 「CASE」対応急ぐ
トヨタ自動車とデンソーは10日、車載半導体の研究開発を担う新会社を2020年4月に設立すると発表した。両社合わせて約500人が新会社に異動する。出資比率はデンソーが51%、トヨタが49%の見通し。自動運転や電動車など「CASE」の進展で、自動車に搭載する半導体は増えている。開発の負担が増える中、新会社への集約で効率の向上を狙う。
新会社は愛知県日進市にあるデンソーの先端技術研究所内に設立する。トヨタとデンソーで車載半導体の研究開発を手掛ける人員がほぼすべて移る。車の電子制御化が進む中、半導体の搭載量は増えている。両社の経営資源を合わせ開発を効率化する。CASE対応に向け自動運転向けセンサー、電動車向け基幹部品などに使う半導体の研究開発も加速させる。
CASEへの先行投資が増え、トヨタの20年3月期の研究開発費は5年前から約1割伸びて1兆1000億円となる。このため効率化を目指し、トヨタグループで重複を解消する「ホーム&アウェー」という戦略を昨年から本格化させている。
デンソーには20年4月に電動車の基幹部品である「パワーコントロールユニット(PCU)」などの生産や開発を移管する。新たにデンソーと車載半導体の研究開発業務も集約し、電子部品の開発体制を強化する。
デンソーも自動運転や電動化で、アイシン精機などグループの部品メーカーと新会社を相次ぎ設立している。開発面などでグループ連携を強化して独ボッシュやコンチネンタルなど欧米のメガサプライヤーに対抗する。