三菱自、配車大手ゴジェックに出資 東南アジア開拓
三菱自動車は8日、インドネシアの配車サービス大手ゴジェックと提携したと発表した。三菱商事など三菱グループと合同で少額出資した。次世代移動サービスを共同開発する。三菱自が移動サービス分野で独自提携策を打ち出すのは初めてだ。
三菱自が参画する日産自動車や仏ルノーの企業連合は先進国に主眼を置く移動サービスの開発を進めている。三菱自は新興国に軸足を置く形だ。
ゴジェックには三菱自、三菱商事と三菱UFJリースの3社が出資した。三菱グループ合計で発行済み株式の数%を取得したもようだ。三菱グループが東南アジアで展開する自動車販売や小売りのネットワークを使い、人やモノの移動に関わる新サービスを開発する。
ゴジェックは東南アジアの配車サービスではグラブ(シンガポール)と並ぶ規模を持つ。宅配サービスや電子マネー事業も手掛け、非上場ながら企業評価額は100億ドル(1.1兆円)を超える。完成車メーカーの出資を受けるのは初めて。
東南アジアは移動サービスの普及が急速に進み、市場は宅配サービスや電子決済まで取り込むグラブとゴジェックの2強状態。18年には米ウーバーがグラブへ東南アジア事業を売却し撤退した。
出資も2強に集まる。グラブはトヨタ自動車や現代自動車、ヤマハ発動機やソフトバンクグループから出資を受けた。トヨタは車両の走行データを収集して現地に合わせた新サービスの開発を狙う。ゴジェックには米グーグルや中国ネット通販大手の騰訊控股(テンセント)が出資する。