三菱自、東南アジア配車大手と提携 三菱商事などと出資
三菱自動車は8日、インドネシアの配車サービス大手ゴジェックと提携したと発表した。三菱商事などと共同で出資する。ゴジェックは東南アジアの配車サービスでグラブ(シンガポール)と並ぶ規模を持ち、自動車メーカーからは初めて出資を受け入れる。東南アジアに強みを持つ三菱自と組み、配車や宅配などの新サービスの開発を進める。
ゴジェックはスマートフォンを使った自動車やバイクの配車サービスのほか、宅配サービスや電子マネー事業も展開する。シンガポールやベトナムなど周辺国にも事業を広げており、非上場ながら企業評価額は100億ドル(1.1兆円)を超えている。
今回は三菱自、三菱商事と三菱UFJリースの3社が出資した。3社でゴジェックの発行済み株式の数%を取得したもようだ。三菱商事は2月にも電子決済などサービス領域での提携を目的に出資している。
ゴジェックが自動車大手の出資を受けるのは初めて。車両や先進技術の知見を得て、新たな移動サービスの開発を急ぐ。競合するグラブは既にトヨタ自動車や現代自動車、ヤマハ発動機から出資を受けている。
三菱自にとっては配車サービスなどの分野で初めての提携となる。東南アジアは同社の最量販地域ながら、これまで目立った協業策を打ち出せていなかった。連合を組む仏ルノー・日産自動車は東南アジアの事業基盤が強くないこともあり、三菱グループの持つ販売網や金融資源とゴジェックとの提携を生かし、市場を開拓する。