ライト建築、世界遺産決定 追加候補に兵庫の住宅
【バクー=共同】アゼルバイジャンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7日、日本とゆかりが深い米建築家、フランク・ロイド・ライト(1867~1959年)が手掛けた米国内の8作品について、諮問機関の勧告通り世界文化遺産に登録することを決めた。
8作品は、ライトの代表作であるグッゲンハイム美術館や落水荘など。米政府は推薦書で、将来の追加登録を目指す作品の一つとして兵庫県芦屋市の旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)を挙げた。追加を目指す具体的な時期は明記していない。
旧山邑家住宅は1918年にライトが設計し、24年完成。47年から淀川製鋼所(大阪市)の所有となった。山肌に沿って建てられ、自然環境との融和を理想とするライトの建築様式を示す。阪神大震災後の改修工事などを経て、今年2月から一般公開が再開された。
ライトは世界文化遺産「国立西洋美術館」(東京)を設計したル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエと並ぶ「近代建築の3巨匠」。作品群は2016年にも世界遺産委の審査を受けたが、登録を見送られていた。
日本ではほかに、帝国ホテル旧本館や自由学園明日館(東京)の設計でも知られる。東京にあった帝国ホテル旧本館の一部は現在、博物館明治村(愛知県犬山市)に移築されている。