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大谷好調の背景、打球初速・角度に基づくデータ改善

スポーツライター 丹羽政善

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3月21日の引退会見でイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐)は、大谷翔平(エンゼルス)に今後期待することを問われると、こう言った。

「世界一の選手にならなきゃいけない選手ですよ」

1994年に210本という当時のプロ野球シーズン最多安打記録を更新したあとのことについて、「その頃から急に番付を上げられちゃって、一気に。もうずっとそれからはしんどかったです」と同会見で振り返り、そうして期待をかけられることの苦しさを誰よりも知るイチロー氏が、なぜそこまで大きなプレッシャーをかけたのか。

あのとき、その真意を測りかねたものの、その高いハードルを今、大谷は越えていく。苦もなく、軽々と。

結局、偶然ではなく、必然なのだろう。

前回、「角度をつける」という大谷の取り組みについて触れた(「上げるのでなく上がる」大谷が追求している打撃)。

「結果的に上がっている打球に関しては比較的ヒットになったり、ホームランになったりしている率が高いので、そこ次第。かといって上げにいくのではなくて、自然に上がるポイントでしっかり捉えられるかどうかが、今は大事」

では、どう自然に上げるのか。まだそこを試行錯誤していた6月上旬、具体的な技術論より、大谷は感覚的な説明をした。

「なんて言うんですかね。こういう感じで、こう捉えにいっているときは、いいよな、悪いよな、というのがある。左右(の投手)によって(球の)軌道って違うんですけど、その軌道に(スイングの軌道を)合わせにいくとぶれてしまうので、軌道に合わすというより、こういうふうに飛んでいくんだろうな、という軌道で振れているかどうか」

あれから1カ月、どうなったのか。分かりやすくいうと、手がつけられなくなった。

低い打球角度続くも成績は大幅アップ

今回、復帰した5月7日から6月2日までの出場22試合と、6月4日から7月4日までの28試合のデータを比較したが、実のところ、打球の平均角度そのものは相変わらず低い。前者、後者ともわずか2.8度である。昨季は12.3度。それでも前者の打撃成績が打率.225、長打率.326、OPS(出塁率+長打率).630、3本塁打だったのに対し、後者は打率.389、長打率.779、OPS1.201、9本塁打と劇的に改善されている。

なぜか。データをたどると、バレル率(バレルの数/打球数)に大きな変化があった。

バレルとは、打球初速と打球角度の組み合わせのこと。言葉を作った大リーグ公式サイトのMLB.COMによれば、その2つの要素によって生まれる打球結果が、打率5割以上、長打率1.500と定義されている。

かみ砕くと、例えば打球初速が99マイルの場合、打球角度が25~31度だと高い確率でヒット、しかも長打になりますよ、ということになる。打球初速が1マイル上がると角度の範囲も上下に広がり、100マイルの場合、24~33度でバレルゾーンに入る。つまり、打球初速が速くなればなるほど、打球角度が多少低くても、あるいは高くても、長打になる確率が高くなるということ。

バレル率が上昇、本人の言葉裏付け

大谷のバレル率を調べると、6月2日まではわずか7.7%(5/65)だったが、6月4日以降は19.4%(14/72)に上昇していた(昨季は16.0%でリーグ上位2%)。平均角度は変わらないものの、角度をつけた打球に関しては、「比較的ヒットになったり、ホームランになったりしている率が高い」という大谷の言葉通りとなった。

やはり彼の場合、打球が上がるかどうか。

となると今後の課題は、対左投手のブレーキングボール系(スライダー、カーブ、ナックルカーブ)への対処か。その3球種に対し、昨季の平均打球角度は15.2度だったが、今季は-4.1度にとどまる。そのことは明確に打球方向にも表れていた。

図1は、左投手のその3球種を打った場合、大谷の打球がどこに飛んだかを示したもの。色の濃い部分はそこへ飛んだ打球が多いことを示しているが、仮にヒットになっていても、右方向への打球が圧倒的に多い。

前回も触れたが、大谷の打球が右方向に飛ぶ場合、ゴロまたはラインドライブがほとんど。つまり、打球が上がらないのである。右投手のチェンジアップとスプリットに対する打球方向も調べてみたが、似たような傾向が表れていた。

むろんそのことは、たまたまではない。相手としてはそうした球種を外角低めに集めて(図2、3)、大谷がボールの上をたたくように仕向けているのである。特に左投手が大谷に対してブレーキングボールを投げる比率は45.2%(7月4日現在)と徹底されている。

ただ、見方を変えると、大谷がそうした球に角度をつけて、左中間に運ぶようになったとき、相手は手に負えなくなる。いや、平均角度そのものは2.8度しかないが、6月4日以降はすでに手がつけらなくなっている。後半、この平均角度がせめて昨年並みになったら、どうなるのか。

7月5日の試合では、2打席目にリーグ屈指の右腕であるジャスティン・バーランダー(アストロズ)からセンターオーバーの今季13号を放った。大谷がダイヤモンドを一周しているとき、バーランダーは「信じられない」とでも言いたげに首を振っていた。

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