「伊豆MaaS」実験、3カ月で2万人超が利用
東京急行電鉄やJR東日本などは5日、4月から静岡・伊豆で実施していた次世代移動サービス「MaaS(マース)」の実証実験で、6月末までの3カ月間に2万人超の利用があったと発表した。無料の乗合自動車も累計1000回程度の利用があったという。同実験は伊豆の観光を促進する狙いで進めており、9月からサービスの提供エリアを広げて実験を再開する。
4月1日から6月30日まで下田駅などを中心に静岡県の南伊豆や東伊豆エリアでMaaSの実証実験をした。伊豆周辺で鉄道を運行する東急電鉄とJR東日本がタッグを組んだ。スマートフォンアプリ「Izuko(イズコ)」を通じ、バスや鉄道が乗り放題の「デジタルフリーパス」や観光施設のチケットが買えるほか、乗合自動車の予約ができる。
3カ月間でイズコアプリのダウンロードが2万3231件、乗合自動車の利用が1051件、デジタルフリーパスの発行が726枚あったと発表した。当初はアプリのダウンロード数を6カ月で2万件と見込んでいたが、想定より観光客や地元の住民に利用してもらえたという。
実証実験は9月1日に再開する。期間は3カ月。サービスの提供エリアを西伊豆などに広げるほか、乗合自動車の自動運転も手がける計画だ。7~8月の実験休止期間中も、アプリを通じて下田ロープウェイ(静岡県下田市)の利用代金を割り引くほか、飲食店で一部のメニューを無料で提供するなどのサービスを実施する。