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誰もが活躍できる社会へ 報道の役割は

日経×上智大×コロンビア大 学生応援プロジェクト

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日本経済新聞社と米コロンビア大ジャーナリズム大学院、上智大学メディア・ジャーナリズム研究所は6月22日、学生応援プロジェクトとしてシンポジウム「これからのジャーナリズムを考えよう」を上智大・四谷キャンパスで共同開催した。性別や人種の違いを超え、誰もが活躍できる社会の実現に向けジャーナリズムが果たす役割などについて研究者や政治家、記者らが議論。大学生ら約520人が参加した。(文中敬称略)

パネル討論では映画プロデューサーのナディン・ナトゥア氏、野田聖子前総務相、米コロンビア大ジャーナリズム大学院のジャニン・ジャケット副院長、上智大文学部新聞学科の阿部るり准教授と、日本経済新聞社の桃井裕理政治部次長が「ジャーナリズムとダイバーシティー 日米比較論」をテーマに意見を交わした。司会・総括は上智大メディア・ジャーナリズム研究所の音好宏所長。

多様性、報道の要に

 ジャーナリズムとダイバーシティー(多様性)について意見を。

野田 政策決定の場にいて、日本は多様性に鈍感であるとわかった。多様性は男女、外国人など多様な人を包摂し、それぞれが幸せになることだ。日本もひびは入ってきた。あらゆるところで女性を3割起用することを進めている。そのひびを大いに割り込んでいくことが大事だ。

ジャケット 米国のジャーナリズムの職場で女性は42%。しかし昨年の我々の調査では27%しか編集長になっていない。ジャーナリストに女性が増えれば世界をより多くの側面で見られるようになる。まずは意図を持って女性を採用すること。女性のメンターやワークライフバランスを保つ制度も重要だ。セクハラ被害に遭った場合に通告しやすくすることも必要だ。

阿部 日本のメディアの多様性は「働く人」「報道内容」の2つの側面で重要だ。在留外国人が増え、近いうちに300万人に迫る。メディアにはその存在を可視化して日本の構成員として取り込む姿勢が薄い。外国人労働者の受け入れが本格化するが、社会の意識が変わらぬまま労働力として受け入れるだけにならないよう、警鐘を鳴らすのがジャーナリズムの役割だ。

桃井 政治記者の世界でも女性は2割に満たないだろう。背景には日本のメディア界の体質があると思う。深夜・早朝に取材先の自宅に行く「夜討ち朝駆け」に加え昼間、取材や執筆をしていると働く時間は長くなる。

変化は生まれている。政界要人を担当する「番記者」も常に張り付く必要はないという認識が浸透し、育児中の女性でもやっていける状況がつくられつつある。育児休暇をとる男性記者もいる。多様な人材による多様な視点からの報道は、ジャーナリズムを強くすることにつながる。

野田 官僚トップによる女性記者へのセクハラ問題が起きた。優越的な立場にある取材先からのセクハラはあってはならない。記者の上司が、人権問題だという認識をしっかり持つことが大事だ。

 大学院ではジャーナリズムの多様性についてどんな形で教育しているのか。

ジャケット ジェンダーは非常に重要で、多様性に焦点を置いている。色々な発表を全て評価し、教室の中で多様性が担保されるようにするとともに世界に目を向けるようにしている。国、宗教、ジェンダーと、色々な背景を教えることを試みている。

若い世代に可能性

ナトゥア 女性記者にとって、安全に働ける環境は不可欠だ。女性社員が(セクハラなどの)事件を人事部に相談しても取り合ってもらえないことがある。経営者や管理職の間で女性の安全確保が重要との認識が高まり、組織全体に浸透することが必要だ。

女性が声を上げにくい状況で報道の自由は存在しない。若者は声を上げ続けるべきだ。自分の意見がないがしろにされていると感じても直感を信じてほしい。重要と思うテーマを取材する権利が自分にあると信じ続けることだ。

阿部 米国発の「#MeToo」運動に関心を持ち、自分のこととして捉える学生もいた。意識を持った学生が報道機関に入ることで、日本の報道も変わるのでは。

見せかけの「多様性」にならないよう願っている。包摂的な社会を実現するためには、多数派の人が変化することも考える必要がある。少数派の人が変わるだけでは本当の多様性は実現できない。

桃井 日経の新入社員の約半分は女性だ。性的少数者(LGBT)など多様性の問題を取り上げたいと考えている若い記者は多い。不要不急の夜討ち朝駆けを控える動きも広がってきた。ただ従来の方法を使わずに、どうやって良い記事を書くかについては明確な答えを見つけられていない。若い記者と一緒に考えているが、毎日が挑戦だ。

ジャケット 男性と女性が協力して、全ての人が(多様性を)達成すべきゴールとして認識することが必要だ。若者はこのことを本能的に分かっている。今後もさらに良い変化が起きるだろう。

野田 以前は夫婦別姓すら「ふしだらだ」といわれる雰囲気があった。その時に思い出したのは「神の下に平等」という言葉だ。(性別にかかわらず)「私もあなたも同じだ」という意識を持つことができるかどうかが試練だ。

 若い学生が未来のことを考えることが重要だ。「多様性は可能性」ということを改めて感じた。

パネル討論に先立ち、ナディン・ナトゥア氏が基調講演した。

 

対立意見に耳を傾けよう


 2017年、米女性最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(RBG)の半生を描いた映画「RBG 最強の85才」を制作した。彼女はがんの夫と1歳の子を抱えて大学院を首席で卒業。様々な訴訟の判決を通じて米国に男女平等を定着させ、法曹界で最も名誉ある最高裁判事に女性で2番目に指名された。
 米国でのダイバーシティー(多様性)の拡大に彼女は大きな役割を果たした。多様性は対立する意見に耳を傾け、自分の見方を見直すことで実現できる。彼女は思想的に対立する保守派の判事とも、旅行やオペラという共通点を見いだすことで友好関係を築いた。こうした行動が対立点を乗り越えさせて様々な合意をもたらした。
 私の両親もそうだ。パレスチナから米南部に移住して食料品店を営んだ。周囲はイスラム教徒と接触したことがない人ばかりだった。それでもお互いの考えを話し合い、理解し合うことで友好的な関係をつくることができた。
 米国ではトランプ大統領の登場以来、自分が同意できない意見を聞こうとしない風潮が広がっている。だからこそジャーナリズムには思想の多様性が求められ、対立する考え方を理解することが重要になっている。
 そのためには指導者と支援システムが重要だ。女性のジャーナリストや映画制作者は広い視点から物事を捉えることが得意だが、疑問や恐怖に直面して立ち止まってしまうこともある。勇気づけてくれる指導者やメンターを充実させる仕組みなどが不可欠だ。

イベントの様子は日経チャンネルからご覧いただけます。

https://channel.nikkei.co.jp/e/20190622journalism

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