北朝鮮、対米交渉担当を選定か 「米国通」の外交官
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮は4日までに、米国との非核化交渉の実務担当者として金明吉(キム・ミョンギル)前駐ベトナム大使を充てる方針を米国側に通知したもようだ。複数の韓国メディアが外交筋の話として報じた。1990年代以降に核開発を巡る対米交渉に携わってきた外交官で、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表の交渉相手となる可能性がある。
韓国統一省によると、金明吉氏は北朝鮮外務省の米国担当部署が長い。2006年には国連代表部公使に就き、核問題を巡る6カ国協議に関わった。北朝鮮に大きな打撃を与えたマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)を巡る金融制裁の解除に奔走したことでも知られている。
6月30日に板門店で開かれた米朝首脳会談を受け、ポンペオ米国務長官は7月中旬ごろに米朝の実務者協議を再開するとの見通しを示した。米国はポンペオ、ビーガン両氏が引き続き協議を担う。北朝鮮側の交渉団は李容浩(リ・ヨンホ)外相と崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官に金明吉氏を加えた布陣になるとみられる。
2月末にハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談の直前には、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の直属である国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)氏が実務交渉に臨んだ。しかし、首脳会談が決裂した責を問われて何らかの処罰を受けたとされ、その後は公の場に姿を見せていない。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。