助言者、世界に3000人 米エンデバーがファンド
米ニューヨークに本拠を置く起業家支援組織のエンデバーは世界のスタートアップ企業に投資する1億5千万ドル(約160億円)規模のファンドを設立する。エンデバーが企業を選んで出資し、起業家らの知見や人脈を提供する。リンクトイン創業者のリード・ホフマン氏ら3千人以上の経営者らが助言役となる。
共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のリンダ・ロッテンバーグ氏は、上場を急がずユニコーンの成功例を増やせば日本の新興企業の成長余地は大きいと指摘した。「製造業や人工知能(AI)で優れた企業が多い。技術力をもち世界の課題を解決する企業に投資する」と話した。
投資部門の「エンデバー・カタリスト」が1億~1億5千万ドル規模の3号ファンドを立ち上げる。エンデバーはこれまで北米や中南米を中心に、世界の100社以上にベンチャーキャピタル(VC)と共同出資している。日本では電動車いすのWHILL(横浜市)に投資した。
エンデバーの日本での活動拠点は、マネックスグループの松本大社長や起業家の孫泰蔵氏が中心となって17年に設立した。
日本のスタートアップ企業についてロッテンバーグ氏は「小規模なうちに東証マザーズ市場に上場してしまい、国際的なVCには投資機会がない」と指摘した。「上場前に他のVCや事業会社に株式を売却できる市場も必要だ」と話した。この状況を変えるため、日本でユニコーンの増加に貢献したいという。
エンデバーは各地で支援企業の選考会を開いており、通過率は2~3%という。日本では過去にネット印刷のラクスルや名刺管理のSansanが支援先に選ばれた。