「本郷をAI企業の集積地に」 NEDOがコンテスト
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4日、人工知能(AI)開発のスタートアップの中から優れた企業を表彰するコンテスト「HONGO AI」を開くと発表した。ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達や大企業との協業の足がかりの場としてもらう狙いだ。本郷を革新的なAIスタートアップの街としてブランド化して、起業家を集める意図もある。
創業期のAI企業から有望な企業を発掘する。NEDOの渡辺恒文プロジェクトマネージャーは同日の記者会見で「日本の産業構造を変えていく気持ちで取り組んでいる」と意気込みを語った。
本郷周辺で活動するVCやインキュベーション施設と連携し、経営共創基盤(IGPI)やディープコア、Deep30、東京大学エッジキャピタル、TomyKの協力を受ける。
コンテストで募集するAIスタートアップは直近の資金調達の際の企業価値が20億円未満か、資金調達の総額が5億円未満であることが条件。8月8日まで応募を受け付ける。成長性や技術の独自性、チームの質などを基に、東京大学大学院の松尾豊教授ら有識者が審査する。
本郷周辺は東大の学生や卒業生の若い起業家が集まっている。松尾教授は「昨年度の松尾研究室の卒業生の進路は起業か進学で、一般企業に就職した人はいない」と明かした。AI関連の起業家の集積を生かし「本郷を世界に通じるブランドにしたい」と話している。