大卒内定率6月末74%も、4割は就活継続 民間調べ
就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)によると、2020年春卒業の大学生・大学院生の6月末時点の就職内定率(内々定含む)は74.4%だった。今後も就職活動を継続する学生は45.8%と、前年に比べて2.1ポイント上昇した。売り手市場のもと、納得のいく企業を選びたいという学生の思惑と企業の動きとのズレがみられる。
既に内定を得ている学生のうち、8.8%が「内定先に不満なので就職活動を続行する」と答えた。内定先に不満ではないものの、「他の企業も見たいので続行する」と答えた学生も18.3%いた。まだ内定を得ていない学生と合算し、就職活動を続ける学生の割合は全体の4割超にのぼった。
文理別に見ると、内定を得ながら就職活動を続ける学生は文系で男女ともに3割を超えた。文系男子が32.4%、文系女子が35.1%だった。理系男子が一番少なく15.8%で、理系女子も20.9%と2割台にとどまった。
選考解禁日を過ぎておよそ1カ月がたつが、マイナビは「大手企業を志望する学生が他社の内定を持ちながら就職活動を続けているようだ」とみる。大手企業が例年に比べて採用基準を緩めていないことに触れ、「内定が新たに出ないまま就職活動を続ける学生が増えている」(マイナビ)という。
内定率は前年同月の76.3%から1.9ポイント減少したものの横ばいだった。平均の内定保有社数は2.2社と前月に比べて0.3社増えたが、前年同月と変わらなかった。
調査は6月24~30日にネットで実施し、全国の4775人から回答を得た。(橋本剛志)
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