買収防衛策、反対票増える 住友不、賛成55%
住友不動産が6月27日に開催した株主総会で、承認された買収防衛策の更新議案の賛成比率が55.2%にとどまったことが3日分かった。コーポレートガバナンス(企業統治)の緊張感が緩むのを株主が懸念したようだ。買収防衛策を巡っては国内外の株主で批判的な意見が強まっており、6月総会では前田建設工業など賛成比率が5~6割台の企業が相次いだ。
住友不が3日に開示した臨時報告書で判明した。3年ごとに買収防衛策を更新しており、前回総会で議決した2016年には賛成比率が66.3%あった。
5割台とまではいかなくとも、東映や住友金属鉱山の買収防衛策も賛成が6割台だった。07年に導入したタカラトミーは「企業価値・株主共同の利益のため」として継続を求める会社提案を出したが、賛成は62.2%となった。
買収防衛策は2000年代半ばのライブドアによるニッポン放送株の大量取得を機に、敵対的買収を恐れた企業によって相次いで導入された経緯がある。
しかし「経営者の保身につながる」として国内外の投資家からの反発を招き、導入企業数はピーク時に比べると約4割減った。
14年に金融庁が策定したスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)は投資家に経営陣や業績動向を厳しく監視することを求める。こうした流れも株主の動きを後押ししている。