北朝鮮、ポンペオ氏の続投了承 7月中旬にも実務協議
【ソウル=恩地洋介】板門店での米朝首脳会談を踏まえ、米国と北朝鮮は7月中旬にも非核化を巡る実務者協議を再開する見通しだ。北朝鮮メディアは1日、前日の会談に関し「生産的な対話を積極推進することで合意した」と報じた。4度目の首脳会談に向けて相互に受け入れ可能な策を探るが、非核化を巡る溝はなお大きい。
トランプ米大統領の訪韓に同行したポンペオ米国務長官は6月30日、記者団に「協議は7月中旬になるだろう」と述べた。米国側はポンペオ氏とビーガン北朝鮮担当特別代表が引き続き交渉を担当する。ポンペオ氏は2月の首脳会談後に北朝鮮から交代を求められたが、続投の了承を北朝鮮側からも得たという。
北朝鮮側は担当者を明かしていないが、李容浩(リ・ヨンホ)外相と崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が軸となりそうだ。崔氏が別の外務省高官を指名する可能性もある。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長はハノイで開いた2回目の首脳会談が物別れに終わり、実務者を処罰した。対話機運を維持するため、担当者を変えて再開を急いだとみられる。
ただ米国が「最終的で完全に検証された非核化」(FFVD)を実現するまで制裁を維持するとしているのに対し、北朝鮮が提示する実質的な非核化措置は寧辺(ニョンビョン)核施設の廃棄ぐらいだ。金正恩氏が言及した「19年末」の期限までに進展があるかは不透明感が強い。
一方、1日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は35枚の写真を使い、前日の米朝首脳会談を大々的に宣伝した。両首脳は緊張緩和や米朝関係の転換へ「障害となる懸念事項や関心事」を話し合ったと伝えており、非核化に加え、見返りとなる経済制裁の解除や体制保証も協議した可能性がある。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。