JXTG、ベトナムでLNG事業 現地石油会社と協業
国内石油元売り最大手のJXTGエネルギーは1日、ベトナムの国営石油大手ペトロリメックスと同国での液化天然ガス(LNG)事業で協業すると発表した。同国でのLNGの受け入れ基地の建設や共同調達などを検討する。JXTGは当初、ベトナムの製油所建設への参画を模索してきたが、十分な補助金が得られず計画が中止になった経緯がある。製油所に代わりLNGで協業し、海外事業を伸ばす狙いだ。
同日、両社がLNG事業での協業を検討する覚書を都内で結んだ。具体的な案件は明らかにしていない。ただ、ペトロリメックスは約4千億円を投じ、ベトナムで受け入れ基地とLNG火力発電所を建設する方針。JXTGは国内にLNG基地を持っており、運営ノウハウなどを提供していきたい構えだ。
JXTGは2016年に200億円を投じてペトロリメックスに8%出資した。ベトナムは石炭生産国のため石炭火力の発電所の比率が高い。ただ、国際的な環境機運もあり、石炭に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないガス火力を増やす方針。国内のガス生産だけではまかなえないため体積を小さくして運びやすくするLNGの需要が拡大している。
JXTGは日本国内の石油需要が縮小する中、ベトナムに成長の活路を見いだそうと現地での製油所建設に向けた検討を進めてきた。ただ、供給過剰の懸念から政府から十分な財政支援が得られなくなり、計画は白紙に戻っていた。JXTGは40年に国内の石油需要が半減すると試算する。海外事業の育成が不可欠で、ベトナムでのLNGの具体的な事業化を急ぐ。
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