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魅力大きいランニング 苦しさの奥に生きがい・喜び

ランニングインストラクター 斉藤太郎

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今回はランニングの技術論から離れ、生活におけるランニングの役割について書きたいと思います。プレーヤーの人数制限がある競技と異なり、ランニングの大会は制限時間こそありますが、エントリーを済ませれば誰もが開催日に確実に出場できる点で平等だと感じます。走り切ったら終了。延長や短縮はありません。

対戦型競技やチームスポーツではレベルや年齢の差を考慮する必要がありますが、ランニングは合宿や泊まりがけレースなどで幅広いレベルと年齢層の人が行動をともにすることができ、仕事などを抜きにしてフラットな交流を広げられます。生涯スポーツとして、とても魅力あるスポーツだといえるのではないでしょうか。

生活の軸になるランニング

ダイアリーに目標レース日を書き込みます。そこから逆算する形でスケジュール調節が始まります。時期に応じて適切な練習をして自身を高めていく。食べて良いものとダメなものを見極める。大切な練習の前夜はアルコールもほどほどに早寝をする。うまくいかないことの方が多いかもしれませんが、数々の選択と試行錯誤が緊張感をもたらし、生活の軸になっていきます。ニッポンランナーズには「練習会がある土曜日が生活のメインです」とうれしそうに言い切るメンバーもいます。

リレーマラソンはチーム編成でタスキをつなぎながら競う大会で、各地で人気を集めています。上位入賞をめざすチームよりも、順位度外視で仲間とのタスキリレーを楽しんでいるチームの方が圧倒的に多いと感じます。仲間と笑顔で走っている光景を目にすると、人は走ることが好きなのだなあとつくづく感じます。

「タスキを受け取り、仲間に渡す」という目的があって、その手段として最大限の努力で走る。苦しいけれども楽しい。「△キロ走りなさい」と数字ばかりを意識するのでは、こういった高揚感は生まれないでしょう。

このほどスポーツ系の大学の学生に依頼され、研究に協力することになりました。テーマは「長く走ることは嫌いなのだが、どうして大人になると好んでマラソンを走りたくなるのか」。20歳代のやや冷めた視点がうかがえます。若いうちは、苦しさはただ肉体的な苦しさでしかなく、年齢を重ねるごとに、苦しさの奥に潜む生きがいや喜びが感じられるようになるのかもしれません。クラブ練習会の横で「あの人たちはお金を払って苦しい練習に取り組んでいるんだぞ」と先生が生徒に諭していたことがありました。

仕事や家庭内の役割とは別に、何らかの自己実現をしたい欲求を多くの人がもたれているはずです。ただ、希望というゴールはどこかぼやけていて、近づけているかどうかもわからない。一方で、ランニングは試練のクリアのためにコツコツと取り組めば着実に希望に近づける、少なくとも希望から遠ざかることはないスポーツです。「呼吸が上がらなくなった」「記録が伸びた」と進歩を確実に感じ取れます。そんなこともあってでしょうか、好きな言葉が「継続は力なり」というランナーがとても多いそうです。

トップランナーの影響力

さて、2020年東京五輪のチケットの当選結果が発表されました。私は陸上競技でマラソンなど何種類か申し込んだのですが、すべて落選しました。

マラソンは9月15日に開催されるグランドチャンピオンシップ(MGC)で男女各2人が五輪代表に選ばれます。トップランナーは大人だけでなく、ジュニア世代にも大きな影響を与えています。トップが使うツールに憧れ、同じコンセプトのシューズやウエアが一般ランナーの世界にも広がっていく。男子マラソンの基準的ラップ、1キロ3分0秒がどれだけ速いのかを、数値だけでなく体で理解できている方が少なくないはずです。東京五輪を前に、ランニングという山は標高が高くなり、合わせて裾野も広がりを見せているように思います。

私が代表を務めているニッポンランナーズは01年12月に設立、02年に運営を始めました。当時入会された方の中には、高橋尚子さんが00年のシドニー五輪女子マラソンを金メダルでフィニッシュした直後の「とっても楽しい42.195キロでした」という言葉に共感したくて走り始めた、という方がいらっしゃいました。そんな経緯もあって、トップランナーの皆さんには見ている人たちの生き方に作用をもたらす言葉を期待せずにはいられません。13年の東京開催決定から、ずっと20年を見据えてきました。そろそろ、その先のスポーツのあり方に影響してくる言葉が生まれるのではないかと思っています。

ランニングを通じた交流の広がりもあって、様々な目標を持った多くの世代の人が集まり、笑顔でスポーツに取り組むクラブの運営は現在18年目です。実業団チームの休部を受けて発足したことで、当初はエリート選手を指導する専門家が一般ランナーの指導を始めた、という形でメディアに取り上げられたこともありました。そんなこともあり、専門性や理論を追いすぎていたのではという反省もありました。メンバーの方々に気づかせてもらったことも多々あります。地域クラブが担っていくべき役割と生涯スポーツとしてのランニング。このあたりのお話は次回紹介したいと思います。

さいとう・たろう 1974年生まれ。国学院久我山高―早大。リクルートRCコーチ時代にシドニー五輪代表選手を指導。2002年からNPO法人ニッポンランナーズ(千葉県佐倉市)ヘッドコーチ、19年理事長に就任。走り方、歩き方、ストレッチ法など体の動きのツボを押さえたうえでの指導に定評がある。300人を超える会員を指導するかたわら、国際サッカー連盟(FIFA)ランニングインストラクターとして、各国のレフェリーにも走り方を講習している。「骨盤、肩甲骨、姿勢」の3要素を重視しており、その頭の文字をとった「こけし走り」を提唱。著書に「こけし走り」(池田書店)、「42.195キロ トレーニング編」(フリースペース)、「みんなのマラソン練習365」(ベースボール・マガジン社)、「ランニングと栄養の科学」(新星出版社)など。

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