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再び休場の貴景勝、今を無駄に過ごすな

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大相撲名古屋場所は7日、ドルフィンズアリーナで初日を迎える。先場所、右膝を痛めて途中休場した大関貴景勝は回復が間に合わず、かど番の今場所も初日から休場という決断になった。まずは何よりもけがをしっかり治すことが大事。そしてこの先のためにも、今という時間を無駄にしないでほしい。

大関としては異例の再出場、再休場という先場所の判断については批判する声も多かった。けがをした翌日はともかく、再休場で2度目の不戦敗となったことで、また一つ取組がなくなってしまった。そうなると貴景勝個人の問題ではなくなってくる。不戦勝となった栃ノ心の相撲を見るためにチケットを買ったファンのことを考えれば、もう少し冷静な判断をすべきだった。

押し相撲だから前に出る取り口を徹底すればいけるという思いもあったのかもしれない。そうであれば、まず稽古場で自分がどれだけ動けるのかを確かめなければいけない。部屋には元気な関取もいるのだから、彼らとがんがん稽古ができる状態であれば出てくればいい。稽古もできない状態では勝てないし、けがも悪化する恐れがある。横綱だろうと大関だろうと、相撲が取れないのなら休むのは仕方ないことだ。

休んでいる間に体は作り直せる

私も現役時代、腕や腰、脚などの度重なるけがで何度も休場を経験した。本来なら相撲を取っているはずの夕方の時間帯、そこに自分がいない。俺は何をやっているんだろうとイライラが募り、テレビで相撲をみるのも嫌だった。次の場所は大丈夫だろうか、けがは治るだろうかと、いろんなことが頭をよぎり、不安にもなる。

そんなときは、余計なことを考える暇をつくらないほどリハビリや治療に精を出した。けがをすると必ず弱くなるというわけではなく、休んでいる間に体をつくり直すこともできる。実は、2000年夏場所で私が初めて手にした幕内優勝も、膝のけがが転機だった。2月に初めて痛めた右膝の状態が回復せず、春場所は8勝止まり。これではいけないと巡業を休ませてもらい、夏場所の番付発表後までジムでリハビリをすることになった。

それまでは器具を使ったトレーニングなど全くやっていなかったので、力は強いはずなのにろくにバーベルが上げられなかった。左右のバランスが悪く、相撲のスタミナとは全然違うので回数もこなせない。ぼろくそに言ってくるトレーナーに腹が立って言い合いになりながらも、実際にできない自分がそこにいる。何を言っても言い訳にしかならないと気づいた。だったら言われないくらいにやってやろうと、そこから1カ月間、人付き合いも一切絶って、1日も休まず体を鍛えていった。

基本は午前と夜の1日2回。プールでのリハビリもやったので遅いときは帰りが深夜0時すぎになった。ジムが休みの日も特別に開けてもらって貸し切り状態。すると1カ月でメニューを全てクリアできた。最後にはジムにある重りを全部つけても足りなくなり、追加で70キロ近い人を上に乗せて持ち上げていたほどだ。そこから場所前の10日間ほどで四股、てっぽう、すり足、立ち合いの確認といった相撲の基礎を徹底した。感覚を取り戻し、鍛えた力を相撲に生かせるようにするためだ。

休んだ分はそれだけの稽古を

面白かったのは、それだけやったのに体重は1キロも変化しなかったこと。かなり絞れた感覚はあったので、余計な脂肪が落ちて筋肉がしっかりついたのだろう。後からわかったのだが、トレーナーはできることを目いっぱいやろうという思いで、あえて厳しい言葉をかけてくれていたらしい。そこで「もういいや」と逃げたら終わり。「くそー」と思いながらも奮起したことで、優勝と大関昇進につながった。

大関にもなると様々な人が周りに寄ってきて持ち上げてくれる。「今日はしんどいな」と思ったときに「休んでいいよ」と甘やかしてくれる人も多いが、そこで「やらないと駄目だ、弱気でどうするんだ」と厳しく言ってくれる人がありがたいと思える日が必ず来る。気持ちを奮い立たせてくれる人、ちゃんと自分を見てくれている人を大事にした方がいい。

一度けがをしてしまったら、それまでと同じような稽古、同じような生活をしていては駄目だ。休んだ分、体力が落ちるのは事実で、それを取り戻すには普段の倍以上の稽古をやらないといけない。もちろん最初はきついが、やれば体は慣れてくる。それだけの稽古を当たり前のようにできるようになれば、さらに馬力もついてくるし、相撲から余計な部分がそぎ落とされて自分の型を徹底できるようにもなるだろう。

まだ22歳の貴景勝は回復も早いし、もっともっと筋力もつくだろう。しっかりと鍛え直して強い貴景勝として戻ってくれば次がある。中途半端に出場して大けがでもしたら、その「次」がなくなってしまう。先場所で平幕優勝した朝乃山や新小結の阿炎のような面白い力士も出てきている。貴景勝にはとにかく今は無駄な時間を過ごさず、その先頭に立っていく力士になってもらいたい。

(元大関魁皇)

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