トランプ米大統領の記者会見の要旨
29日のトランプ米大統領の記者会見の要旨は以下の通り。
■対中追加関税先送り 当面は中国に対する関税を引き上げない。米国が中国から輸入している3500億ドル(約38兆円)分の中国製品にも課税できるが、今はしない。中国とは以前に協議が中断していたところから協議を再開することになる。中国はまもなく多くの農産品を米国から買うことになる。買ってほしい品目のリストを(中国側に)提供する。交渉を急ぐつもりはない。正しい取引をしたい。
(米企業は)中国の華為技術(ファーウェイ)に対して製品を売り続けても構わない。ファーウェイに売れないことが、企業には問題になっている。ファーウェイを禁輸措置対象のリストから外すかどうかについては、まだ中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と話していない。(外す前に、貿易協議の)ゴールを見極めたい。我々が抱えている安全保障上の問題が最優先だ。ファーウェイの問題は複雑なので最後まで残すことにした。貿易協議がどうなるかを見ていきたい。
■「正恩氏と会うかも」 これから韓国の非武装地帯(DMZ)の方へ向かう。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会うかもしれない。北朝鮮はこれまで新たな核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験をしていない。(北朝鮮も面会に)前向きなようだ。金正恩氏が応じなかったとしても問題はない。
■日米安保条約は不公平 日米安全保障条約の破棄は全く考えていない。ただ不公平な合意だ。この6カ月間、安倍晋三首相に言ってきた。もし日本が攻撃されれば、私たちは最大限の力で日本のために戦う。しかし米国が攻撃されても、日本は戦う必要がない。変えなければいけないと安倍首相に伝えた。もし我々が日本を助けるのなら、日本も助けないといけない。首相はそれを分かっているし、異論はないだろう。
メキシコは国境警備で素晴らしい仕事をしている。高く評価している。6千人の兵士が中米グアテマラ国境に派遣されている。米国での難民認定の問題を是正する。抜け穴をふさぐ必要がある。
■訪ロを真剣に検討 ロシアのプーチン大統領と素晴らしい話し合いをした。今後はロシアとの貿易を実施していけると思う。ロシアによる選挙介入、軍縮についても話した。来年にロシアに招いてくれた。真剣に検討すると答えた。
著名サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏の殺害は本当にひどいことだ。サウジ当局も深刻な事態と受け止めている。ただこれまでサウジ国王になる人が直接実行したと示した人はいない。サウジは米国で何百万人もの雇用を生み、多くの米国製品を購入している。イランともスマートな取引をしたい。
ベネズエラの状況は注視している。同国の体制転換には時間がかかると思う。現状では人道的支援を重視しているが、ベネズエラ政府が支援を難しくしている。石油はあるが水はない状況だ。マドゥロ大統領はあまりよくやっていない。
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