「香港あっての中国」どこへ 北京が恐れるマネー逆流
本社コメンテーター 梶原誠
香港は東京やシンガポールと並ぶアジアの金融都市だ。「マネー」を糸口に検証すると、香港の大規模デモの注目すべき断面が浮き上がる。「香港あっての中国経済」という、1997年に英国が中国に返還して以来、中国経済の成長を支えた構図が揺らいでいる。
香港政府が目指す「逃亡犯条例」の改正に反発し、9日に103万人、16日に200万人がデモをしたが、香港株の指標であるハンセン指数は底堅かった。だが水面下では、...
東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。