ヤンマー、米建機メーカー76億円で買収
ヤンマーホールディングス(HD)は28日、米建機会社のASVホールディングスを買収すると発表した。7070万ドル(約76億円)で全株式を取得する。ASVは土砂の運搬などに使う小型建機の一種、コンパクトトラックローダー(CTL)などを手掛ける。ヤンマーが得意とするミニショベルとセットで顧客に提案し、北米での販売拡大を目指す。
ASVは米ナスダック市場に上場している。ミネソタ州に工場を持ち、北米のほか、豪州やニュージーランドで建機を販売している。2018年12月期の売上高は1億2700万ドルだった。ヤンマーHDは9月までに買収を完了する予定だ。
ヤンマーの建機事業は都市部の住宅開発やインフラ整備に使うミニショベルが中心だ。今回の買収で品ぞろえを拡充し、ASVの販路も活用して販売増を狙う。米国のミニショベル市場のシェアを現在の6%程度から早期に2ケタ以上に引き上げる。
ヤンマーHDが同日発表した19年3月期の連結決算は、純利益が前の期比80%減の21億円だった。売上高は欧米や中国で産業用エンジンの販売が伸びて7966億円と4%増えたが、鉄鋼など原材料費の高騰や研究開発費の増加などを補えなかった。20年3月期は売上高が8%増の8600億円、純利益が6倍強の133億円の見通し。引き続きエンジンが好調なほか、東南アジアでトラクター販売を増やす計画だ。